ソーシャル・キャピタル論

サバンナ 命を育む神秘の樹@NHKデジタル放送より
Always, now under Construction.
このページは、2006年後期より学部半期科目として始まったリレー講義「社会科学総合研究C:ソーシャル・キャピタル論」の講義履修者用のものです。授業の要約メモや参考リンク、文献リーディングリスト、成績評価などを案内するものです。
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【前半】
佐々木實雄先生(日本大学商学部教授)による
講義ノート
【後半】
上沼正明(本学)の講義ノート(以下、随時更新)
【イチジクとイチジクコバチ】
ソーシャル・キャピタル論には複数の系譜があり、多数の専門学問分野を横断するものだ、ということを学びます。ですから、このテーマを論じる科目が、「学際性」と「問題解決」を目指して建学された社会科学部に設置されたのです。
皆さんは、このテーマを現代に甦らせた研究者のなかに米国ハーバード大学公共政策教授のロバート・パットナムがいることを知っていますが、彼はThe Saguaro seminar: Civic Engagement in Americaというサイトを公開しています。Saguaroとは、何でしょうか? そのQ&Aのページで、彼は次のように説明しています。
Why the name "Saguaro Seminar "?
The saguaro [pronounced sah-WAH-ro] is a cactus that grows in the Sonoran desert in the Southwestern United States. There are rich parallels between the saguaro and social capital (or civic engagement). Saguaros were for some time undervalued by modern American society and often razed. Saguaros are bellwether indicators of the health of the ecosystem. The saguaro also plays the role of welcoming host for an environmentally-rich community: vines grow on its trunk; birds make nests in the saguaro; Native Americans have lived off its fruit and celebrate its blossoms in festivals; and animals use saguaro for precious shade. Saguaros have an invisible root system that is multiples of the visible height of the cacti. And like most social capital, saguaros grow slowly (husbanding what nourishment the ecosystem provides) and are tough, long-term survivors.
【試訳】
サーワーロというのは、サボテンで、米国南西部のソノラン砂漠に生育する。
このサーワーロとソーシャル・キャピタル(あるいは、市民の関与)との間には沢山の
類似点がある。
サーワーロは、ここ暫らくの間、現代米国社会により過小評価され、しばしば徹底的に破壊された。サーワーロは、生態系(エコシステム)の健康を測る先行指標である。サーワーロはまた、環境豊かなコミュニティを歓迎する宿主の役割も演じる。すなわち、つる植物がその胴体に生育し、鳥たちがサーワーロに巣をつくる。アメリカ先住民は、その実を食べて暮らし、祭りではその花を祝った。そして、動物たちは、サーワーロを大切な日陰として使う。サーワーロには、見えない根が地中に張り廻るが、その長さは地上に見えるサボテンの高さの数倍もある。
そして、大抵のソーシャル・キャピタルと同様に、サーワーロは、ゆっくりと生育し(生態系が供給する栄養を節約し)、丈夫で長く生き延びる。
セミナーは、ある分野でアイデアを交換するために集う一組の集会を意味するが、その由来は苗床(なえどこ)あるいは生育場を意味するラテン語のセミナリウムから来ている。
このパットナムのSaguaro(サボテン)に模して、ここではFig Seminarと名づけてみることにします。そのこころは? 講義でゆっくりとお話しすることにして、この名称を付けるヒントとなった映像を紹介します。今年2006年正月の1月6日(金)に、『大自然スペシャル「動物カメラマン 野生へのまなざし」−サバンナ 命を育む樹−(総合 後7:30〜8:43)』が放送されました(講義で鑑賞するのは、5月25日に衛星放送で「サバンナ 命を育(はぐく)む神秘の樹(き)」のタイトルで再放送された番組です)。これを見ながら、パットナムのSaguaro(サボテン)のことをすぐ連想しました。イチジクはfig、イチジクコバチという昆虫はfigwasp。同放送の案内ページには、以下のように解説されています。
デジタル放送ハイビジョン
ハイビジョン特集 「サバンナ 命を育(はぐく)む神秘の樹(き)」
東アフリカのサバンナを流れる川のほとりに不思議な木がある。木の名はエジプトイチジク。年に3トンもの実をつける豊かな木である。
この木には小さなアリから巨大なゾウまでさまざまな動物たちが集まる。他の木に実りがなくなり動物たちが苦しい時に恵みを与えるためだ。
しかし、サバンナの命を支えるイチジクの木は、小さな昆虫の存在なくしては生きられない。その大切なパートナーは、体長1ミリほどのイチジクコバチ。コバチは一生の大半をイチジクの実の中で過ごす代わりに、命がけで花粉を媒介することでイチジクに報いる。
今回、世界的に活躍するイギリス出身の動物カメラマン夫婦、マーク・ディーブルさんとビクトリア・ストーンさんが、ケニア南部の川辺の森でキャンプ生活をしながら2年にわたって撮影に取り組んだ。
番組では、イチジクの巨木を主人公に、小さな昆虫との不思議な関係がサバンナのさまざまな生きものたちを育むという、命のつながりのドラマを秀逸な映像で描く。
【ソーシャル・キャピタル論との出会い】
私は、あなたは、「ソーシャル・キャピタル」をどこで初めて知り、なぜ興味を持ったのか。
【ソーシャル・キャピタルとは何か?】
【イタリアモデル】
【マイクロクレジット】
【ボローニャの大実験】
星野まりこ『都市を創る市民力 ボローニャの大実験』三推社/講談社
- NHK放送番組『井上ひさしのボローニャ日記』
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